<症状と経過> −尿タンパクの試験紙の (++)は注意信号−
慢性腎炎の患者さんはよく「体がむくむ」とか「尿の量が減った」と心配されますが、9割以上は1日尿タンパク量が3g以下ですのでネフローゼ症候群のように体がむくむことはありません。また、腎臓の働きが低下してくると尿を濃縮することができなくなって薄い尿がたくさん出るようになります。このため、夜間にもトイレに行くようになります。むしろ尿量が少ないとか尿の色が濃いのは濃縮力が十分あることを示す良い証拠なのです。
さて、尿の泡立ちは、尿の中にタンパクや糖が出ているとよく目立ってきます。尿タンパクが出ていないかは薬局で販売している尿タンパクの試験紙で簡単に調べることができます。腎炎が急に悪くなったときにコーラ色の肉眼的血尿が一時的に出ることもありますが、ほとんどの場合は顕微鏡で赤血球がわかる程度の血尿で、これも試験紙で潜血反応として調べることができます。ただし、激しい運動や剣道などのあとにはタンパク尿や血尿が出ることがありますので、起床してすぐの早朝尿で調べるのが正確でしょう。
尿潜血が陽性であっても尿タンパクが(−)〜(±)程度であれば腎臓の働きが低下していくことはほとんどありません(ただし、腎硬化症だけは例外です)。でも、尿タンパクが(+)〜(++)の場合は、必ず1日の尿をためて何グラム出ているかを調べなければなりません。尿タンパクが(++)ですと、1日1gくらいのタンパクが出ていることを示唆します。
尿タンパクが(++)ということは1日尿タンパク量がほぼ1.0gであることを示します。
尿タンパクの試験紙は + が 30mg/dl
++ が 100mg/dl
+++ が 300mg/dl の濃度でタンパク質(アルブミン)が含まれていることを示します。
1日の尿量が1リットル(=10dl)のときは
100mg x 10=1000mg=1.0gとなります。
(IgA腎症の場合、1日1.0g以上の尿タンパク量は
腎機能が進行性に低下することを示します)
IgA腎症の場合では、15年間ずっと1日尿タンパク量が0.5〜1.0g続くと10〜20%の患者さんが透析に導入されますが、1g以上続くとこの割合は80%に跳ね上がります。つまり、尿タンパクが(++)あるいは1g以上は進行することを示す注意信号なのです。
1日尿タンパク量と将来腎不全になる確率
(IgA腎症について)
1日尿タンパク量 腎不全になる割合
〜0.5g未満 0〜5 %
0.5g〜1.0g未満 10〜20 %
1.0g以上〜 80 %
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